最近は生活習慣病などが多くなってきていることから、健康志向の食べ物や飲み物で自分なりに気を使っている人が多いと思います。
健康食品業界の中でも特に“乳酸菌”への関心は高く、様々なものが出てきましたが、そこでよく聞く様になってきたのが「植物性乳酸菌」という言葉。
この記事はこんな方におすすめです。
・「植物性乳酸菌」って何?
・「生きて腸まで届く」ってどういうこと?
・「植物性乳酸菌」だから健康にいいの?
大学・大学院の間、毎日毎日乳酸菌と向き合って研究してきた僕が解説します。
「乳酸菌」ってそもそもどんな菌?
「乳酸菌」ってスーパーやテレビCMなど結構毎日身近によく聞く言葉だと思いますし、よくご存知だと思います。”乳酸菌”という名前は。
じゃあ「乳酸菌」ってどんな菌ですか?と聞かれたら答えられますか?
もちろん正解です。
ただ、厳密にはもう少し色々と定義されているので見てみましょう。
形状 : 棒状又は円柱状の「桿菌」or球状の「球菌」である
ブドウ糖の代謝 : 食べたブドウ糖の50%を乳酸として代謝排出する
グラム染色 : 陽性
カタラーゼ反応 : 陰性
運動性 : 自ら動くことはない
安全性 : 毒性物質を出さない安全性の高い菌
胞子の有無 : 無し
やはり大前提としては代謝して生産する半分以上が「乳酸」であることです。
そりゃ”乳酸”菌ですからこれは当たり前です。
「グラム染色」や「カタラーゼ反応」など難しい言葉が並んでいますが、これは菌の種類を見分ける為のそう言う名前の方法があって、反応するかしないかを見ているだけです。
人間で言うといわばアルコールのパッチテストをして、赤くなるかならないかの様なものです。
また、少し意外と思う方もいると思いますが、運動性は「自ら動くことはない」んです。
なんか想像では腸の中をあっちこっちに動き回っているのかと思いきや、私たちの腸の中で住み着いて、餌(食べ物)が来るのをじっと待っているんですね。
こんな特徴を持ったものは全て「乳酸菌」と言う菌になるということを覚えておきましょう。
では”植物性”乳酸菌とは?
ここからが本題です。
先ほど「乳酸菌」がどういったものかがわかっていただけたと思います。
では”植物性”乳酸菌というのは何か?
実は”植物性”乳酸菌は学名でもなんでも無く、正式にはそんな名前の乳酸菌は存在しないんです。
えーーーーー!!!!!
ってそんなに驚いてないかもしれませんが、「じゃあ世の中にある”植物性乳酸菌”って何!?」という疑問が湧いて来ると思います。
通称”植物性乳酸菌”と呼ばれているのは、植物由来の乳酸菌のことを指します。
植物由来の乳酸菌?
植物由来というのは植物の表面、例えば木の枝とか葉っぱなどに棲息していた乳酸菌を分離した(採取した)もののことです。
ヨーグルトの起源は木桶などに残しておいた羊の乳がいつの間にか発酵して酸味のある飲み物に変わっていたという説もあるのですが、木桶の表面についていた乳酸菌が起こした現象であり、これがまさしく”植物性乳酸菌”になります。
”動物性”乳酸菌もあるの?
では”植物性”の反対と考えると”動物性”もあるのかと思った方は鋭いですね。
”動物性”乳酸菌とは私たち人間の腸など動物から分離されたものを指します。
しかしながら、”植物性乳酸菌”と言われるラクトバチルス・プランタラムなどは私たちの腸など動物からも分離することはできますし、逆もあります。
そういった意味で”植物性”、”動物性”と学術的に完全に分類として二分化することは極めて難しいと言われています。
ですので、その乳酸菌を最初にどこから分離したかで通称”植物性乳酸菌”と呼ばれる様になっています。
本当は「植物由来の乳酸菌」や「植物に住んでいた乳酸菌を使用した」などと書いている方が表現としては正しいのですが、長いので私たちに浸透する過程でそういう通称になったのでしょう。
”植物性乳酸菌”は通称であって正式名称ではない
生きて腸まで届くのは”植物性乳酸菌”
「乳酸菌◯◯億個配合、生きて腸まで届く!」なんて言っているテレビCMをよく見かけますよね?
これ、疑問に思いませんか?
確かに、なんでわざわざ”生きて腸まで”っていうの?
乳酸菌によって違うの?
それはプロバイオティクスという考え方に基づいています。
プロバイオティクスとは?
健康を維持するには腸内環境を整えることが大事なのですが、乳酸菌は腸内で人体にとっていい働きをしてくれる善玉菌に分類される代表的な菌です。
プロバイオティクスとは乳酸菌の様ないい働きをしてくれる菌を生きたまま腸まで届けて定着させることで腸内環境をさらに良くしようという考え方です。
食品としては味噌やキムチなど、乳酸菌を使用した発酵食品や生きた乳酸菌を含んだサプリなどがあり、それを継続的に摂取することで腸内環境を良くし、健康を維持することができます。
生きて腸に届く確率が高い”植物性乳酸菌”
このプロバイオティクスを実現させるのに重要なのが”植物性乳酸菌”です。
植物性乳酸菌は植物から取られたものだと説明しましたが、動物性乳酸菌に比べると過酷な環境で生きることができると言われています。
なぜなら、植物には乳酸菌の栄養となる餌が少なく、雨風や気温の変化に対応する為に強くならないといけません。
反対に動物の腸内にいる様な乳酸菌は常に乳酸菌の栄養となる餌が豊富に存在していますのであまり強くなる必要がなかったのです。
そうすると、これらの2種類の乳酸菌を比較した場合、口から摂取されて腸に届くまでに胃酸や胆汁などの過酷な環境に晒されても無事でいられるのは、今までも過酷な環境を生き抜いてきた”植物性乳酸菌”というわけです。
菌株の種類によって様々ですが、通常動物性乳酸菌だと1%と言う低い生存率に対して、植物性乳酸菌だと80%以上が生きたまま腸に到達するものもある様です。
植物性乳酸菌が腸内環境改善の確率をアップさせる
腸内環境(腸内フローラとも言います)と言うのは善玉菌と悪玉菌と日和見(ひよりみ)菌の3種類の絶妙なバランスで成り立っています。
腸内では基本的には善玉菌優勢ですが、悪玉菌は暴れるのを今か今かと待ち構えているのですが、それを善玉菌が抑えていると言った状況がずっと続いています。
このバランスは食生活やストレスと言ったものを敏感にキャッチして刻一刻と変化していくので、現代の社会人にとっては維持するのが厳しい環境にあります。
そこで乳酸菌を摂取して善玉菌を増やすと良いのですが、乳酸菌の中でもより腸内に生きて届きやすい”植物性乳酸菌”を摂取することで乳酸菌が生存率高くなり、「多くの善玉菌を腸内に定着させて腸内環境を向上させることができる」=「悪玉菌抑える&体にいい物質を作って健康な状態になる」と言うことです。
・便秘解消
・免疫力向上
・花粉症の改善(免疫力向上とも関連)
もし食べる前の乳酸菌の総量が同じであったら、腸まで生き残りやすい植物性乳酸菌を選んだ方がお得で健康になるというわけです。
植物性乳酸菌は過酷な環境も耐え抜いて腸まで届きやすい!
”植物性乳酸菌”をたくさん摂るには?
”植物性乳酸菌”を必要十分量取ろうと思うと何が最適でしょうか?
方法として2つのご紹介します。
漬物・味噌・キムチなどの発酵食品で摂取する
漬物などはだいたい一切れ1〜5億個の乳酸菌がいます。
継続は力なり、毎日少しずつでも意識的に摂取すれば人によっては十分効果が得られます。
サプリで摂取する
漬物やキムチなどの発酵食品を毎日食べ続けるのは味に飽きてしまったり、量を食べなければいけないなどの問題も含めて少し無理があります。
そこで手軽に摂る方法としてはサプリで摂取する方法があります。
その中でもオリゴ糖と乳酸菌でお子様も健康習慣【くるポンタブレット】はより効率的に腸内環境をよくするために、乳酸菌生産物質を配合したサプリです。
乳酸菌などの腸内の善玉菌が働くのにの重要なオリゴ糖5種類と乳酸菌500億個が配合されたサプリです。
今まで乳酸菌を試したけどあまり効果がなかったという方は乳酸菌が腸に合わずに効果を発揮できていなかっただけかもしれませんので、一度試してみてくださいね。
いかがでしたでしょうか?
学術的には存在しない分類ですが、通称”植物性乳酸菌”が注目されているのはその強さにあった様です。
まずはストレスなどがない生活が一番ですが、なかなか難しい方には腸内環境を整える為に”植物性乳酸菌”を取り入れてみてはいかがでしょうか?